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「PoC」とは?シニアコンサルタントがわかりやすく解説

2022.07.08

  • DXブログ
  

DXコラム PoCとは

ワンストップDXソリューションパートナー、アルサーガパートナーズ株式会社のDXコンサルティングチームによるコラム連載。現場で得た知見やお客様から頂く質問をもとに、DXにまつわるさまざまな用語・事象をコンサルタントの目線でやさしく解説します。

PoCとは?

PoC (Proof of Concept、読み:ポックまたはピーオーシー) とは、新しい技術やアイディアなどに対し、実現可能であるか確認するために実験的に行う検証のことです。日本語では「概念実証」「実証実験」と訳され、「実現性のテスト」と言うこともあります。

大規模なコストを伴う新規性の高い事業の立ち上げや、革新的な技術やアイデアを導入した製品/サービスの開発といった新規プロジェクトが抱えるリスクを回避するのが目的です。

出典元:PoC(Proof Of Concept。ポックまたはピーオーシー)

「PoC」は、業界を問わず、製薬業界や映画業界、広告業界などでも使われますが、ここではIT業界に絞って説明いたします。

IT業界におけるPoC

IT業界におけるPoCとは、DX開発やシステム開発に本格的に取り組む前に①技術的に難しい部分だけを先行して取り組む、②プロトタイプを作ってテストユーザーに使ってもらい受け入れられるかのいずれか、あるいは両方を行うことを言います。

前例が無いあるいは難易度の高い取り組みをする場合は、そのアイディアの成功確率が低いことが予想されます。「難易度」と一口に言っても色々ありますが、①技術的に難しい②リリースしてもユーザーに受け入れられない、の2パターンが主です。

その際、いきなり本格的にプロジェクトを開始して巨額の予算を投下するとどうなるでしょう? 失敗すると予算だけ無くなって成果ゼロという悲惨なことになります。そこで、PoCを実施することでリスクを減らそう、という考え方になります。

特にDXプロジェクトにおいては①技術的に難しい②リリースしてもユーザーに受け入れられないのいずれか、あるいは両方のリスクが付き物です。なので、PoCを行うべきケースが多いと言えるでしょう。

PoCの具体例

技術的にむずかしいプロジェクトのPoC

技術的にむずかしいプロジェクトのPoCについて、具体的な例をお示しします。

「ユーザーの購買履歴からAIがユーザー属性を推測して接客を自動化するサービスを作ろう」と考えたとします。

仮に購買履歴を収集するシステムと、接客を自動化するシステムを構築したとしても、「ユーザーの購買履歴からAIがユーザー属性を推測する」仕組みが上手く行かなければ、サービス全体としては失敗です。そこで、PoCではこの部分を検証します。

例えば、ユーザー属性として若い女性・若い男性・高齢女性・高齢男性の4つのいずれかを推測したいとします。この場合PoCでは4属性それぞれに属するユーザーの購買履歴をそれぞれ100人分、3年分収集して、AIを作ります。

AIが購買履歴だけを使って属性を推測した時、正解率が30%だと実用化は難しそうですが、95%だと成功しそうです。成功が見えてきてから、本格的にAI以外のシステム化や、サービス開発を進めれば、プロジェクトの成功率は高まると期待されます。

新しいサービスがユーザーに受け入れられるかを主眼に置いたPoC

新しいサービスがユーザーに受け入れられるかを主眼に置いたPoCの具体的な例をお示しします。

全く新しいUIのECサイトのアイディアを思いついたとします。ユーザー体験は劇的に改善すると思われますが、一方で新しすぎることでユーザーが理解できず、支持されないかもしれません。そこでUIのデモンストレーションを目的としたプロトタイプを作ります。プロトタイプはECサイトそのものではないので、実際に商品を購入することはできません。しかし、商品検索や検索結果の表示、詳細説明の閲覧やカートに入れるなど、UIとしてユーザーにアピールしたい部分などはわかるようになっています。

プロトタイプを100人のユーザーに見ていただいてアンケートを取ります。「使いたい」という回答が5人だと、ECサイトとしての開発は辞めた方が良いでしょう。しかし80人が支持していれば取り組む価値が有りそうです。

本格的な開発の前にPoCを行うことで、成功の確信をもって取り組むことができるのです。

PoCの注意点

 良い事ばかりに見えるPoCですが、一つ留意点があります。それは「PoC貧乏」に陥らないことです。PoC貧乏とは、「PoCを何度も行うが全て次に進まず、実際のプロジェクトが開始できない」という事態のことです。

その結果、PoCのコストや時間だけが消費されてしまうのです。慎重になるのは良いのですが、慎重すぎると本来は実行すべきプロジェクトも辞めておこうという判断になってしまいます。慎重と大胆のバランスを取ってこそ、PoCは上手く行くのです。

MVPとの違い

PoCに似た概念として、「MVP(Minimum Valuable Product)」があります。
MVPとは、「最小限の動くプロダクト」という意味で、目的を達成する最小限のサービス・プロダクトをユーザーに提供し、そのフィードバックを元に、改善(機能の追加や方向性の修正など)を行います。フィードバックと改善のプロセスを、「MVP検証」と言います。

一見PoCと似ていますが、PoCはあくまで概念の実証にとどまる点がポイントで、サービスやプロダクトをユーザーに提供するとは限りません。

アルサーガパートナーズでは、サービスやシステムの開発・運用だけでなく、DXを活用した戦略コンサルティングとして、「DX新規事業コンサルティング」、「DXコンサルティング」、「業務コンサルティング」を提供しています。PoCとMVPのどちらにも対応し、本開発まで一貫して伴走することが可能な体制を備えています。ご相談・お問い合わせはメールフォーム https://www.arsaga.jp/contact/ からお気軽にどうぞ。

(文=山川、松村)