DX技術用語辞典

by Arsaga Partners

HRTech

読み方: エイチアールテック

HRTechとは

HRTech(Human Resources Technology)は、人事管理や人材関連のプロセスを効率化し、改善するためのデジタル技術です。人事情報システム、人材獲得、給与計算、人材育成、パフォーマンス管理、労働時間管理など、さまざまな領域が含まれます。

HRTechが普及した背景には、テクノロジーの発展が挙げられます。企業は従来の紙ベースの人事管理からデジタル化されたプロセスへの移行を求められました。クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、人工知能(AI)などのテクノロジーの進歩により、従業員データの管理や人事プロセスの自動化が容易になりました。

他にも、企業が競争力を維持するためには、優秀な人材の獲得と育成が不可欠であることが認識されています。そのため、より戦略的な人事運営を行うことが求められ、HRTechの導入が必要とされるようになりました。

HRTechの具体的なサービス

■人事情報システム(HRIS)

従業員の情報管理、給与計算、福利厚生管理など、人事部門が日常的に必要とするデータやプロセスを統合的に管理するシステムです。代表的なベンダーには、Workday、SAP SuccessFactors、Oracle HCM Cloudなどがあります。

■人材獲得(Recruitment)

採用プロセスを支援するソフトウェアやプラットフォームです。求人広告の作成、履歴書の受付、面接スケジュール管理、候補者の追跡など、採用活動全般を効率化します。代表的なベンダーには、Workable、Greenhouse、Taleoなどがあります。

■人材育成(Learning & Development)

従業員のスキルや能力を向上させるための教育・研修プログラムを提供するプラットフォームです。オンラインコース、トレーニングモジュール、パフォーマンスフィードバックなどが含まれます。代表的なベンダーには、Cornerstone OnDemand、LinkedIn Learning、Udemy for Businessなどがあります。

■パフォーマンス管理

従業員のパフォーマンスを評価し、フィードバックを提供するためのソフトウェアです。目標設定、評価プロセスの自動化、360度フィードバックなどの機能を提供します。代表的なベンダーには、Performance Pro、15Five、Latticeなどがあります。

■労働時間管理

勤怠管理や労働法規制への準拠など、従業員の勤務時間を管理するためのソフトウェアです。代表的なベンダーには、ADP、Paycom、BambooHRなどがあります。

HRTech導入のメリット

■効率化と生産性の向上

HRTechは多くの人事プロセスを自動化し、データを統合することができます。これにより、人事部門や従業員が日常業務に費やす時間を削減し、より価値の高い活動にリソースを当てることができます。生産性が向上し、業務効率化が期待できます。

■データ駆動の意思決定

従業員データを集約し分析することで、人事担当者や管理者はより正確なデータに基づいて意思決定を行うことができます。従業員のパフォーマンス、離職率、労働時間などのデータを活用して、戦略的な人事計画を立案することができます。

■従業員満足度の向上

セルフサービスポータルを通じて、給与明細や福利厚生の情報にアクセスできるようにすることで、従業員の満足度を高めることができます。また、パフォーマンス管理ツールを使用して、従業員とのフィードバックや目標設定のプロセスを改善することも可能です。

■人材獲得とリテンションの改善

HRTechを活用することで、採用プロセスを迅速化し、優秀な人材を獲得するための競争力を高めることができます。また、従業員のニーズや成長を理解し、適切な支援やトレーニングを実施することで、離職率の低下に寄与します。

現場の声

人事管理や採用プロセスなどの業務を効率化するための技術を指します。例えば、人材の採用プロセスを改善するために、人工知能を活用した履歴書の自動スクリーニングやビデオ面接の導入などが挙げられます。

<執筆・監修>

アルサーガパートナーズ株式会社 DX技術用語集制作チーム

(2024年4月時点)