
DXコラム
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お客様の喜びが原動力!「人をつくるアルサーガ。」連載第130回の今回は、前職での豊富な経験を経てアルサーガにジョインし、福岡拠点で大型プロジェクトを牽引するPM(プロジェクトマネージャー)の簗瀬さんに話を聞きました。
簗瀬さんは、エンジニアとしての深い知見を持ちながらも、当初苦手だったお客様との対話に大きな喜びを見出したことで、PMとしてのキャリアを切り拓きました。自身が「新卒のときは想像できなかった」と語るほど、PMの道へ舵を切ったのは彼のキャリアの中での分岐点だったそうです。
エンジニアとして経験を着実に積み重ね、PMへ転身後の今、簗瀬さんがアルサーガで描く未来について掘り下げた記事をぜひご覧ください。
――まず、簗瀬さんのこれまでのキャリアと、エンジニアを目指したきっかけについて教えてください。
前職は地方の老舗SIerで約11年間働いていました。最初の頃はエンジニアとしてキャリアをスタートし、7〜8年ほどは開発業務に携わっていました。
エンジニアを始めた当初は開発がメインで、それ以外の業務はほとんどありませんでした。そこから徐々に上流工程の要件定義や概要設計、基本設計、詳細設計といったSEの領域を担当するようになり、最終的にはプロジェクト全体のマネジメントも手掛けるようになりました。
そもそも私がエンジニアになったのは、小さい頃からパソコンが好きだったことが始まりです。大学進学を機に地元を離れて東京へ上京し、機械系を専攻しました。当時は秋葉原の電気屋さんでパソコンを組み立てるアルバイトもしていました。
根っからの理系人間なので、機械的なものや工業的なものが好きだったのですが、その中でもプログラミングは、特別な材料費や設備が不要で、パソコン1台あればできるという点に魅力を感じました。趣味の延長線上に今の仕事があるという形なので、大変なこともありますが、おかげで基本的に好きなことをやり続けられていると感じています。
――もともとエンジニアとして開発に打ち込むタイプだった簗瀬さんが、お客様との折衝やプロジェクトマネジメントといった分野にシフトしていった理由は何だったのでしょうか?
正直なところ、明確な理由は自分でもよく分かっていません。私自身、プログラムを書くことに没頭するのが好きなタイプの人間でしたが、前職の会社はパッケージ開発ではなく、お客様の要望に応じたオーダーメイドのシステム開発を専門としていました。そのため、エンジニアであっても頻繁にお客様先へ訪問し、直接話す機会がとても多かったんです。
その中で、お客様の反応を見ることが、いつの間にかとても楽しくなっていきました。最初は自分が好きなものを作ることに喜びを感じていましたが、お客様から「こんな機能ができて助かってる、ありがとう」「前のシステムよりずっといいです」といった感謝や喜びの言葉を聞くようになり、それが大きなモチベーションになったんです。お客様の期待を超えるシステムを開発できた時に、喜んでもらえる瞬間がたまらなく楽しいと感じ、自然とPMの仕事に興味が移っていきました。
実は、私はコミュニケーションが得意な方ではなく、人見知りなタイプなんですよ。しかし、プロジェクトを通じてお客様との対話を重ねるうちに、自然とコミュニケーション能力も鍛えられたように思います。前職の上司が、私のそうした特性をうまく引き出してくれたことにも感謝していますし、良い環境で仕事ができていたからこそ、今の私があるのだと思います。
――前職で11年もの長い期間働いた後、転職を決意した理由を教えてください。
転職を決めたのにはいくつか理由があります。1つは、同じエンジニアやPMの仕事で、より多様な業界のお客様と関わりたいという思いが強くなったことです。前職では携わる業界が限られていたので、視野を広げたいと考えました。
また、私は九州で生まれ育ち、新卒では鹿児島で働いていました。しかし、仕事をするうちに福岡や東京のような大都市圏で働きたいと思うようになったのも理由です。キャリアアップと、自分の引き出しを増やしたいという思いが強かったですね。
他には、意思決定や新しい仕組みの導入が速い環境で働きたかったのもあります。当時の職場では何かを決めるのに1年、2年とかかることも珍しくなく、やりたいことがすぐにできない環境にモヤモヤを感じていました。そのため、転職を考え始めました。
――数あるIT企業の中でアルサーガを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
アルサーガを知ったのは、転職エージェントからの紹介でした。正直、最初は話を聞くだけのつもりだったのですが、一次面接を担当してくれた社員が、年齢がそれほど離れていないにもかかわらず、バリバリ活躍している印象を受けたんです。
さらに、この会社では社内の動きが早そうという直感と、素直に意見ができそうな雰囲気を感じました。特に、入社後の大変なところまでも素直に話してくれたため、入社後のギャップが少ないだろうと感じたことが大きかったです。
二次面接以降もその印象は変わらず、特に私が最も重視していたスピード感が、拠点長の吉冨さんや副拠点長の釘宮さんから感じられたことが入社への後押しとなりました。複数社から内定をもらっていましたが、このスピード感が一番の決め手となりましたね。
――現在担当しているプロジェクトについて、プロジェクトを進める上での工夫や苦労、やりがいについて教えてください。
現在、製造業向けシステムの大規模なプロジェクトに1年半以上携わっています。これは、お客様である企業とその企業の顧客を繋ぐためのシステムです。このプロジェクトは福岡、東京の開発メンバーに加え、コンサルタントも巻き込んだもので、大型プロジェクトと言っても過言ではありません。
プロジェクトを進める上で最も大変だと感じているのは、多くのメンバーが関わっているため、それぞれが培ってきた考え方や仕事の進め方が違う中で、いかに目線を揃えるかという点です。
この課題に対しては、私を含めマネージャーやPM陣が一体となって取り組んでいます。具体的に意識していることは、
• プロジェクトの進行計画に明確な方針を打ち出す
• 各ドキュメントのフォーマットを統一し、そこから逸脱しないように徹底する
• 全体と方向性がずれてきた場合には、速やかに修正を促す
といった準備と方向修正を常に行うことで、メンバーの考え方を同じ方向へ集約させるようにしています。個々の提案も尊重しつつ、プロジェクト全体の統一性を保つバランスが非常に難しい部分ですね。
一方で、この大規模プロジェクトは大きなやりがいも感じさせてくれます。先日、やっと初めてお客様にシステムを触っていただいたのですが、「前のシステムよりも学習コストが格段に下がっていて、新人教育がすごく楽になりそう」という言葉をいただきました。コスト削減といった数値的な成果もうれしいですが、お客様の感情的な喜びを感じられることは、それ以上に大きな達成感につながるんです。
――それは開発していて、一番うれしいお言葉ですね!お客様とのコミュニケーションにおいて、普段から意識している工夫はありますか?
お客様とのコミュニケーションでは、まずお客様のお話を一面的に捉えず、多角的に理解するよう心がけています。表面的な問題の裏に、真に困っていることが隠れている可能性があるため、そこを深掘りして引き出すことを重視しています。
場合によっては、システム導入ではなく、運用改善で解決できる問題もあるため、コンサルタントに近い視点で、お客様にとって本当に必要な解決策を提案することを目標にしています。
お客様がせっかく費用をかけてシステムを導入するからには、「使われないシステム」になってしまうのは最も避けたい結果です。そのため、システム導入の可否も含め、正直にお客様と向き合うことを大切にしています。
具体的には、立場が違う人にもヒアリングを行ったり、自分の過去の経験を引き合いに出して「こんなことで困っていませんか?」と角度を変えて聞いたりしています。システム管理者だけが困っているのか組織としてのお困りごとなのかでも、その先の出口は異なりますし、割と業種や職種固有の課題は各社似たような課題をお持ちのケースが多いんですよ。
また、プロジェクトが長期にわたるため、お客様へのこまめな現状報告も欠かしません。お客様はシステム開発の状況が見えにくく不安を感じやすいので、「今、どこまで進んでいるか」「何ができているか」を定期的に伝えることで、安心してもらえるように心がけています。
――チームメンバーとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?
チームメンバーとのコミュニケーションに関しては、メンバーの個性を尊重し、一人ひとりに合った形で対話することを意識しています。例えば、コミュニケーションが苦手なメンバーにはチャットを活用したり、話すのが好きなメンバーとは仕事終わりに軽く声をかけて状況を聞いたりするなど、柔軟に対応しています。
これは、システム開発がチームプレイであり、一人ひとりのパフォーマンスがプロジェクト全体の成功に大きく影響すると考えているからです。たとえ5%でもパフォーマンスが向上すれば、チーム全体では大きな効果を生み出します。
私の経験上、メンバーのやる気が高い時は不具合が非常に少なく、疲労が溜まると不具合が増える傾向があると思っています。そのため、メンバーが過労にならないように、常にモチベーションを高く保てるような環境づくりを心がけています。
――簗瀬さん自身も忙しい中で、オフタイムではどのようにリフレッシュしているのですか?
私は周りから多趣味だと言われますが、色々なことにチャレンジするのが好きなんだと思います。サイクリングが好きで、転職する前に前職の有給休暇を使って東京から福岡まで自転車で11日間かけて走ったこともあります。他にも、美味しいものを食べに行ったり、ボードゲームやポーカーをしたり、旅行に出かけたりするのも好きです。
特に最近は、福岡にいる利点を活かして近くの都道府県への近距離旅行を楽しむことが多いです。福岡は中国地方や四国地方にも簡単にアクセスできるため、山口や大分、香川などへ日帰りや週末で気軽に訪れています。先日はエンジニアの後藤さんたちと志賀島へもいきました!
――簗瀬さんはアルサーガのどのようなところが魅力だと考えますか?
私が思うアルサーガの魅力は大きく2点あると考えています。1つは、若手も含めて裁量権を持って活躍できる点です。20代、30代、40代のメンバーが入社してすぐに最前線で活躍しており、システム開発やマネジメントにおいて「これをやりたい」という意欲があれば、実現できるチャンスがあります。
2つ目は、会社のバランスの良さです。アルサーガは創業10年ほどの会社で、大企業でもなく、かといって出来たばかりのベンチャーでもありません。ベンチャーのようなスピード感で動きながら、大規模な案件も手掛けられるという、まさに「良いとこ取り」の環境です。年単位の大型プロジェクトから、2〜3ヶ月で完遂するようなベンチャー企業向けの案件まで、多種多様な経験を積める点が非常に魅力的だと思います。
――今後アルサーガで挑戦していきたいことを教えてください。
正直現在のプロジェクトが非常に大きく、まだ手一杯な状態ではあるものの、今後は福岡メンバーだけでも大規模案件を回せるような組織を作っていきたいと考えています。そのためにも、メンバーの育成をしていきたいです。お客様との関係構築はもちろんのこと、自分と同じようにお客様と直接向き合い、プロジェクト全体を推進できるメンバーを増やしていきたいと思っています。
前職時代、私が「ものづくり」から「お客様に喜ばれること」に喜びを見出したように、他のエンジニアにも、プログラムをつくる楽しさに加えて、お客様に感謝される喜びやシステム開発者としてのプライドを感じてもらえるような機会を提供し、共に成長できるメンバーを増やしていきたいですね。そうすることで、組織全体のパフォーマンスが向上し、お客様の要望にも柔軟に対応できるようになると考えています。
――なるほど、「ものづくり」から「人づくり」ですね。最後に、アルサーガへの入社を検討されている方へのメッセージをお願いします。
アルサーガは、「自分がやりたいこと」を積極的に相談し、実現できる会社です。まずはぜひ一度、私たちと一緒に話をして、会社の楽しさを共有できればと思っています。主体性を持って積極的に行動できる方であれば、そのパッションをしっかりと見てくれる仲間たちがいますので、挑戦する価値は十分にあると伝えたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集・文=広報室 白石)