
社員インタビュー
社員インタビュー
他職種を経験したからこそ、コンサルタントという仕事の価値を理解できた。「人をつくるアルサーガ。」連載第119回は、コンサルティング事業本部 X-Industry/Function Div. の後藤さんに話を聞きました。
日系の大手コンサルティングファームと保険業界の営業職を経て、アルサーガへ転職した後藤さん。「コンサルタントに必要な論理思考、課題解決という領域は、まだ伸びしろがある」という思いから、アルサーガではコンサルタントとして再びキャリアを歩むことを決めたそうです。
異なる職種を経験したうえでコンサルタントに戻ること、その経験が現在の仕事にどう活かされているのかについて詳しく伺いました。
目次
――ここまでの経歴を教えてください。
新卒で日系のコンサルティングファームに入社しました。コンサルタントを選んだのは、「経験を積む意味でも、若いうちは働いてなんぼ」と考えていたからです。大学では小型機のレースを行う航空部に所属し、卒業式間近に開催される最後の大会に備え、就活中も現役で活動を続けていました。こうした運動部での経験から、常に成長に向けて挑戦し続けられる環境を求め、コンサルタントの道を選びました。
このファームでは、約5年半在籍。PMO業務を経て基幹システムの刷新プロジェクトに関わり、データ移行からインフラシステムの刷新まで経験しました。
特に印象深いのは、物流インフラのシステム要件定義とユーザートレーニングを担当したことです。全国15拠点でのシステム導入を進める大規模プロジェクトで、約100名のコンサルタントが関与するような規模でした。私は愛知県内のある倉庫を任せられ、ジャストインタイムの対応が求められる環境の中、現場との調整を重ねながら業務に取り組みました。
――その後、保険業界へ転職されたんですよね?
はい、そうなんです。1社目ではシニアコンサルタントまで務め、幅広い業務経験を積みましたが、大規模プロジェクトという環境では、自身の担当領域が決められていて、変化が少ない環境になっていました。次第に仕事に慣れたことで、流れ作業のようにこなせるようになっていました。
ちょうどその頃、偶然参加したイベントで外資系保険会社の営業職の方と出会いました。その方から「24時間仕事をしています」という言葉を聞いたとき、ハッとしたんです。もしかすると、今の自分は挑戦する意欲を失っているのではと気づかされました。
その後、その方の上司とも話す機会があり、現状について厳しい言葉をもらいましたが、心に刺さるものがありました。固定給のない完全成果報酬の世界でしたが、「ここで頑張れるか試してみよう」と思い、保険業界への転職を決意しました。
ところが、最初は保険のことを「教えますよ」というスタンスで営業していたため全く売れませんでした(笑)。転職後の最初の4ヶ月は手取り約20万円。このままではダメだと、自分を追い込み、営業スタイルを見直しました。 先輩に対人営業の本質を教わり、論理的に話すだけでは伝わらないこと、相手の立場や感情に寄り添うことが重要だということを学びました。この経験は、現在のコンサルの仕事にも活きています。
営業を1年半続け、マネージャーに昇進。私を採用してくれたマネージャーが支社立ち上げに伴い、支社長に就任したため、それに伴い私も支社へ異動し、立ち上げを支えました。しかし、採用がうまくいかず、社員の成果も伸ばせなかったために支社は解体されることに。このタイミングで、新たなキャリアを模索することを決めました。
振り返れば保険営業はハイリスク・ハイリターンでしたが、それ以上にこの3年で得たものは大きかったです。
――今回、コンサルタントへの復職を決めた理由を教えてください。
上司の知り合いだったJPさん(取締役副社長)と話す機会があり、「営業職とコンサルタント職、どちらに伸びしろがあると思う?」という問いかけがきっかけでコンサルタントへの再挑戦を決めました。転職を考える中で、営業職とコンサルタント職のどちらを軸にするか悩んでいました。
その状況で、この問いをきっかけに改めて考えた時、営業職としての原理原則は身につけたと感じていましたし、今後も活かせる自信がありました。一方で、コンサルタントの論理思考、課題解決という領域は、まだ伸ばせる部分があると考え、再びコンサルタントの道へ戻ることを決めました。
その時点で営業職として大手2社から内定を得ていましたが、最終的にコンサルタントとしてアルサーガへの転職を選びました。
――現在、どのような仕事を担当されているか教えてください。
入社してから現在まで、約1年半にわたり、化粧品の研究から生産までを担う企業の生産計画系プロジェクトにてPMO支援を担当しています。
このプロジェクトでは、シニアマネージャーの直轄チームとして業務を進めています。計画系の担当は自分1人だったため、当初は苦労もありましたが、シニアマネージャーのレビューを通じてコンサルタントの原則を振り返りながら学べたことは貴重な経験でした。
特に、大手コンサルティングファームではスタッフの直上にシニアマネージャーがつくことは少ないため、密接な指導を受けられたことは大きな財産になっています。中でも大きな学びは、「構造化」と「俯瞰的な視点」 です。現在でもこの2つは強く意識しており、常に心がけています。
――ベンチャーのコンサルティングファームならではの働き方の特徴や魅力を感じた点を教えてください。
自由度はベンチャーの方が高いと感じます。例えば、「このランクの人と直接話していいんだ」という場面が多く、裁量の大きさを実感することがよくありました。また、良くも悪くも決まりきっていない部分が多いため、これから仕組みを作っていくフェーズも含めて楽しんでいます。こうした柔軟さはベンチャーならではの魅力だと思います。かっちりとしたルールがないからこそ、自分の意見を反映しやすい環境があるのも特徴ですね。
――スタッフからマネージャーへ昇進し、一番大きな変化は何でしたか?
昇進前からマネージャーロールを担っていたこともあり、業務の進め方自体は大きく変わっていません。ただ、「上司(シニアマネージャー)がいなくてもプロジェクトを回せる状態をつくる」ことを、より強く意識するようになりました。
昇進前は、「複数の案件を持つことがマネージャーらしさ」というイメージを持っていました。しかし、シニアマネージャーの富岡さんと話すなかで、「このプロジェクトは自分のプロジェクトだ」と言えることも、マネージャーの役割なのだと考えるようになりました。この視点を持つようになってから、「上司がいなくても大丈夫」と言える状態を目指すことが、マネージャーとしての成長だと実感しました。
特に印象的だったのは、企業側のプロジェクトオーナーが退任する際、富岡さんに向けて挨拶をしていたことです。そのとき、「やはり、このプロジェクトは自分ではなく、シニアマネージャーのものなんだな」と感じ、悔しさを覚えました。
スタッフ時代であれば、「責任者がそうなるのは当然」と受け止めていましたが、マネージャーになったことで、「自分が主体的にプロジェクトを動かす」という意識に変わったことが、一番大きな変化だと感じています。
――マネージャーへの昇進を狙うにあたって、意識していたことを教えてください。
後付けにはなりますが、プロジェクト全体を見る視点を持つことが大きな変化でした。元々は、自分のタスクにフォーカスしていましたが、月1回の富岡さんとの1on1を通じて、「視点がプロジェクト全体に上がってきたよね」と言われたことで、意識が変わりました。
また、自分より上の立場の方との対話を意識的に増やすようにしていました。具体的には、マネージャークラスの面々とは月1回は話す機会を持つようにし、上の視点を得ることを心がけました。この習慣を続けることで、毎回新たな気づきや学びがあり、視野を広げることにつながったと感じています。
――営業職の仕事にチャレンジしたからこその気づきや今に活かされていることは何でしょうか?
コンサルタントでは論理的に正しいことが重要視されますが、実際には論理だけでは人の感情を超えられないと実感しました。
例えば、家庭内での出来事ですが、食器洗いの際に洗剤を2周して使ってしまい、奥さんに「もったいない」と怒られたことがあります。そこで、「他にもこういう無駄遣いあるよね?」と言い返したところ「なんかムカつく」と言われてしまったのですが、同じようなことがビジネスや商談の場でも起こっているんです。つまり、どれだけ論理的に正しくても、相手に『なんかこいつ嫌だな』と思われたら、伝わるものも伝わらなくなるんです。相手は人間であり、論理だけではなく感情にも配慮することが大切だと学びました。
また、営業職を通じて「可能性を上げる努力をしよう」という考え方も身につきました。特に、見た目は減点方式という意識を持つようになり、身なりを整えることを意識しています。オフィスではラフなパーカー姿で勤務することもありますが、クライアント先ではスーツを着てビシッと決め、ヘアスタイルも整えます。服装を整えるだけで好印象を持ってもらえるなら、それに越したことはないですよね。
――ここからはプライベートな話についてお伺いします。肉が好きすぎて、SNSで発信しているうちに、フォロワー1万超えの焼肉インスタグラマーになったそうですね。
活動を始めたきっかけは、あるインフルエンサーの食事会に参加したことでした。そこで出会ったのは、お肉が好きすぎて業者に紛れてセリに参加する人、日本全国の酒造を巡りながらその地域に思いをはせて日本酒を飲み歩く人など、強烈なこだわりを持つ人たちばかり。彼らと話すうちに、「自分の好きを突き詰めたら、もっと面白いことができるのでは」と思うようになりました。
そこから焼肉にどっぷりハマり、気づけば週5で食べに行くほどの生活に。もともとオタク気質なこともあり、やると決めたら徹底的にのめり込むタイプなんです。そして昨年には、ついに念願だった芝浦の食肉市場へ見学に行くことができました。「お肉のしもべ」というアカウントでインスタをやっているので、よかったらフォローしてください!
――アルサーガのミッション“人をつくる”。後藤さんが取り組んでいることは何ですか?
「人をつくる」と聞くと、一般的にはメンバーの育成を指すと思いますが、私は自分の知識や経験だけで育てようとせず、さまざまな知恵を周囲から借りることを意識しています。人によって最適な学び方は異なるため、その人に合った方法を見つけることが大切だと考えています。
そこで意識しているのが、メンバーが何を苦手としているのかを観察することです。マルチタスクが苦手な人には一覧で管理できる表を作るなど、視覚的に整理できる方法をサポートし、報告が間延びしがちな人には定期的なリマインドを取り入れるなど、苦手な部分を補うサポートを意識することで成長を促しています。
苦手を意識するようになった背景には、自分自身の経験があります。苦手なことを抱えながら仕事をするのは気持ちがよくないと感じたことがありました。特に前職の営業時代の私は、人の目を見て話せず、相手に寄り添った対応が苦手でした。「元気よくすることが恥ずかしい」と思い、つい斜に構えていたんです。
でも、そうしていると売れない。この経験を通じて、自分の苦手な部分を見て見ぬふりするのは良くないと気づきました。成長するためには、自分が苦手なことにも向き合い、少しずつ克服していくことが大切なのだと実感しました。
――今後、アルサーガで挑戦したいことを教えてください。
正直、野望はあまりないんです(笑)。ただ、飲食店は好きなので、飲食店の力になれることはしていきたいですね。食に関わる仕事にも、いずれ携わりたいと考えています。
また、保険業界の案件を獲得していきたいとも思っています。保険業界での3年間は正直つらかったですが、今では感謝しています。この業界を経験したことで、自分自身が徹底的に鍛えられたと感じています。いつか業界に還元できる仕事ができたら嬉しいですね。
――最後にメッセージをお願いします。
コンサルという仕事は本当に良い仕事だと思っています。 この仕事がしっかりできれば、どこでも生きていけると感じました。論理的に考え、形にし、相手に伝える——このスキルは、どの職種や業界でも本質は変わらないので、キャリアとして非常に価値があると思います。
せっかくこの仕事をしているなら、できることが増えた方が楽しいはずです。斜に構えず、昇進は狙った方がいいと思っています。特にアルサーガは、昇進しても自分の時間がなくなるわけではないので、積極的にキャリアアップを狙うのも良い選択肢だと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集=広報室、文=スギモトアイ)
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