ラスターデータとは
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ラスターデータとは
ラスターデータとは、点の集合体で構成された画像ファイル形式をいいます。
画像を印刷した場合に、そのデータが四角形の集合体であることを見つけたことがある方も多いでしょう。「なんだか画質が悪いなぁ…」と思ったら、ラスターデータです。
インターネットにおけるラスターデータの歴史
インターネット黎明期、ラスターデータといえば、ファイルの軽さや、アニメーションも表現できるなど多様な表現ができるGIF形式が広く普及していました。
しかし、GIFデータを圧縮するアルゴリズム、LZWのライセンスを取得した米Unisys社が、1999年にフリーソフトウェア向けの無料のLZWライセンスを廃止。GIFを扱うためには特許料を同社に支払う義務が生まれました。
この動きに反発するように、新たな特許のないフォーマットを生み出そうとする動きが起きました(これを「GIF排斥運動」と呼ぶこともあります)
この流れから、2001年前後にJPEG形式、PNG形式が標準化され、特許の必要ない画像データ形式として広く普及しています。
ラスターデータの特徴
- 扱えるソフトウェアの幅が広い
ラスターデータは、デザインソフトはもとより、一般向けの画像編集ソフトでも扱うことができます。たとえばWindows標準に付属しているペイントソフトをはじめとし、各種多様なソフトウェアで扱えます。
また、画像を投稿用のオンラインソフトウェアも同様です。
ビジネス向けのWebサービス(プレスリリース配信サイトの画像埋め込み、会計ソフトの領収書保管機能 など)でも、ラスターデータに対応しています。SNSなどのプラットフォームや、イラスト投稿サイトでも、JPG・PNGを中心に、ラスターデータを投稿することが可能です。 - 多種多様な拡張子がある
普段、私たちがインターネット上で目にする画像の多くはラスターデータです。
ラスターデータには多種多様な拡張子があり、それぞれ適している場所が異なるため、理解して使い分けるといいでしょう。
種類 | 拡張子 | 特徴 |
JPG | .jpg .jpeg など | 写真の扱いに適している |
PNG | .png | 写真以外の静止画を扱うのに適している |
GIF | .gif | 扱える色数が最大で256色 アニメーションを表現できる |
TIFF | .tiff | 写真の元データなど高い解像度が必要な場合に適している |
BMP | .bmp | 無圧縮なので画像劣化はほぼないがデータの容量が大きい |
デザインの現場から!実務お役立ち情報
ラスターデータの多くは、劣化しやすく、一度劣化すると、もとに戻せないデータ形式です。そのため、データを授受する際には、なるべく劣化しないよう、注意して扱うことが重要です。
たとえば、大きいものは小さくできますが、
小さいものを、そのままの画質で、大きくすることはできません。
<関連用語>
PNG
JPG
ベクターデータ
◆執筆・監修:
アルサーガパートナーズ株式会社 DX技術用語集制作チーム Design div