株式会社トリドールHD / 従業員の幸福度を可視化する、AI音声対話型の面談システム「ハピネススコアインタビュー」

サービス概要
株式会社トリドールホールディングスが提供する「ハピネススコアインタビュー」は、主力事業である「丸亀製麺」の全店舗の従業員約3万人を対象とした、従業員の幸福度をリアルタイムに可視化する国内初*のAI音声対話型の面談システムです。同社が展開する「丸亀うどーなつ」のキャラクター「るんもっち」による音声対話と最新の生成AI技術により、従業員の「本音」を深く掘り下げてスコア化します。
主観的意見ではなく客観的な行動データから情報を読み取る革新的なアプローチで、店舗の課題発見や改善に貢献します。 本プロジェクトにおいて、アルサーガパートナーズはPoC(概念実証)を経て、AI技術の提供からシステム開発までを一貫して伴走支援いたしました。
*アルサーガパートナーズ調べ(2025年9月現在)。国内の主要な従業員エンゲージメント測定サービス8社を徹底比較。
| サービス名 | |
| お客様名 | |
| 提供内容 | AI音声対話システム開発 / アジャイル開発 / PoC |
| 主要技術 | Angular / TypeScript / AWS / Firebase / OpenAI API |
| プロジェクト期間 | 2025年4月〜継続中(2026年5月時点) |
「ハピネススコアインタビュー」開発の背景
外食産業では2030年に向けて労働人口の減少が予測されており、従業員の定着率向上が経営の最重要課題となっています。トリドールホールディングスでは、従業員の心の幸せをお客様の感動に繋げる「心的資本経営」を推進しており、画一的な評価基準ではなく、企業独自の価値観で従業員の幸福度(ハピネス)を正確に把握するソリューションを求めていました。
しかし、現場の従業員の本音を吸い上げたくても「面談の時間が確保できない」「立場上言いにくい」といった障壁や、外国籍従業員との言語の壁が存在しており、既存のエンゲージメント測定サービスでは具体的なアクションにまで踏み込めないという課題がありました。そこで、AIを活用して従業員の本音を引き出し、データドリブンな経営改善に活かすべく、本プロジェクトが立ち上がりました。
参考:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」
特許技術を用いた「話しやすい」対話環境の構築
AI面談の導入にあたり、従業員がいかに心理的ハードルを感じずに本音を話せるかが重要な鍵となりました。そこで、アルサーガパートナーズが持つ特許技術「雑談によるラポール形成技術」を導入。AIがいきなり本題に入るのではなく、軽い雑談を交わして場を和ませることで、人間同士のような自然なコミュニケーションを実現しています。
さらに、丸亀製麺の社員からも親しみがあるキャラクター「るんもっち」を擬人化して活用することで、AI特有の冷たさを軽減し、アットホームな感覚で安心して本音を話せるユーザー体験(UX)を構築しました。

PoCを通じた真のパートナーとしての伴走型共同開発
トリドールホールディングスとは、単なる開発の委託ではなく、真のパートナーとして現場の声を反映した伴走型の開発に取り組みました。 システムの精度や実用性を高めるため、600人以上の従業員の声を基に3回にわたるPoCを実施しました。
第1回で評価軸の基礎を構築し、第2回ではAIの日本語の文脈理解を最適化、第3回で外れ値の調整や多言語対応を実装するなど、段階的にブラッシュアップを行いました。両社が密に連携し、課題を一つひとつクリアしながら実運用に耐えうるシステムへと進化させました。
「ハピネススコアインタビュー」の主な機能
①わずか5分で完了!ハードルが低く手軽なインタビュー
わずか5分、16問の対話で診断が完了します。従業員は音声で「話しかけるだけ」で回答でき、店舗環境にも配慮してテキスト入力での回答や修正も可能な柔軟なUIを採用しています。
②生成AIによる客観的分析
GPT-5レベルの生成AIが、感情を正確に数値化します。たとえば、日本人がよく使う「まあまあです」などといった曖昧な表現も、客観的な行動データから情報を読み取ります。この仕組みにより、実数値での測定・分析を重視した信頼性の高いシステムを実現しています。
③企業独自の評価基準構築
トリドールホールディングス独自の価値観である「安心感」「つながり感」「貢献実感」「誇り」という4つの指標を設定し、企業文化に深く根ざした分析を実現しています。
④ 多言語対応機能
日本語に加え、英語、ベトナム語、ミャンマー語など8か国語に対応しています。外国籍のスタッフも母国語のテキスト入力で安心して回答でき、その内容が自動で日本語に翻訳されてマネジメント層に届くため、言葉の壁を越えた本音の把握が可能です。(音声対話・音声入力は日本語のみ対応)
導入後の成果
- 現場の「見えづらかった本音」を可視化し、実名ベースでの迅速なフォロー体制を確立
これまで定期面談や従来のアンケートでは見えにくかった現場従業員の本音や、店舗ごとの潜在的な課題がリアルタイムに可視化されました。生成AIによる高度な文脈理解と客観的なデータ分析により、従業員が抱える悩みや店舗の状況を実名ベースで具体的に把握できるようになっています。 これにより、店長やエリアマネージャーは、課題を抱える店舗やスタッフに対して手遅れになる前にピンポイントかつ迅速なサポートを講じることが可能となり、離職防止や職場環境の早期改善に繋がっています。
- 「心的資本経営」の根幹を支える、数値に基づくPDCAサイクルの確立
トリドールホールディングスが推進する「心的資本経営」において、これまで感覚的に捉えられがちだった従業員の「幸福度(ハピネス)」を4つの独自指標で明確に数値化できたことは大きな成果です。 信頼性の高い実数値を基に組織改善の施策を打ち出し、その効果を再びシステムで測定・検証するという、データドリブンなPDCAサイクルを回せる体制が整いました。
お客様の声
ハピネススコアインタビューは単なるアンケートツールではなく、従業員さんとの対話を通じて心の状態や課題を引き出す画期的なシステムです。このシステムにより個々の従業さんの状態の心に寄り添った施策を実行することができます。
プロジェクト内では「設問内容」「ロジック」「分析レポート」などPoCから何回も改善をしながら0→1の仕組み構築に一緒に伴走していただき大変感謝しています。これからもアップデートは続けていきますので、引き続き伴走よろしくお願いいたします。
株式会社丸亀製麺
マーケティング本部 エクスペリエンスデザイン部 部長
間部 徹 様
(文・編集 = 広報室 宮崎)